
こんにちは。SUAMAです。
夏の終わり頃に予約してやっとやってきました!Axeシリーズのサウンドがこのサイズで!という事でレビュー動画さらっと確認して購入を決意。
kemperを所持していて元々ライブできる環境はある為、完全にノリと勢いで気に入らなければ売却するくらいの感じで買ったので忖度なしでレビューしていきます。
メインで使えればライブ時に荷物が小さくなります。これが一番大事。

SUAMA
待ちくたびれてほぼ忘れてたのは内緒。現在は店頭などにも普通にあるみたいだからいつでも買えます!
ここ最近のマルチエフェクターの高機能化、軽量化には目を見張るものがありますね。
このFM3は性能こそAxe-Fx IIIの廉価的位置づけではありますが、元のAxe-Fx Ⅲがそもそも反則レベルでやれることが多いので他のマルチエフェクターに比べると圧倒的にルーティングは自由です。

SUAMA
機材は軽量かつ簡潔、でもやれることは減らさない縛らないを目指す人にはとても向いてると思うよ
それでは詳細に行ってみましょう。
目次
外観





Axe-FX Ⅱベースの機種との主観的比較

SUAMA
以前にAxe-FX ⅡをFW9から18あたりまで使ってました。手放した一番の要因はライブ会場での操作感の悪さと動作の安定感のなさが理由です。
まず一番違いを感じるのはAmpブロックですね。断然違います。
正直録り音としてどちらが優れているか?と聞かれると「好みとシチュエーション」としか言えないのですが比較的柔らかめになった感じでしょうか?
ギタリストはこの弾き心地が好き、という方が多そうな感じです。
ここさえ気に入ってしまえば空間系は文句なし最高峰ですので迷いなく乗り換え or 購入でいいと思います。
音の違いのイメージはほとんどこの動画に近いです。動画ではアングルが違うだけで同じソースの演奏?であると思うので違いがとても分かりやすく良い動画ですね。
ちなみにプリセットはampブロックのインプットにローカットが入っているものが多いのでプリセットの音が綺麗すぎて気に食わない!という方はまずいじってみると良いですよ。
また執筆時点でampブロックのアップデートが目前との事で非常に楽しみです。
そして2番目に感じるのは動作の安定感です。

SUAMA
めっちゃ大事。詳しく書いていくね。
旧機種では無理をしたプリセットを読み込むことが可能でしたがプリセットチェンジを頻繁に繰り返すと特定のモジュールが読み込まれない事が多くありました。

SUAMA
リバーブやキャビネットセクションという重要かつCPUへの負担が重いものであることが多かったです。
後発のFX8とAX8ではCPUと動作保護を目的に機能に制限が付いています。FM3も同じくある程度の制限がある為、制限内の動作はとても快適です。

SUAMA
制限があるのはつかえねーーー!!ってのをよく見るけどFM3は制限があるといってもかなり自由度は高いです。グリッドは4×12ある訳ですからね。
唯一不安定な挙動を見せたのも高速で電源を入れ直すというハードな検証をした時のみでした。Axe-FX Ⅲ以降はそう言った方面もケアされているんだな~と感心しました。
個人的に重要な個所の機能比較
機種/要項 | AX8 | FM3 |
物理ボタン | 8+3(TAP or HOLDによる拡張) | 3(仮想機能による拡張) |
USB-audio | PC接続のみ | 4in/4out |
重量 | 5.4 kg | 3.22kg |
音色を多く一覧してきたい場合などはAX8からの無理な乗り換えは不要であると思います。
AX8であれば動作は安定していますし操作性に関しては完全な上位互換であるとは言えません。ですが新規でFASの製品を買う場合はよほど中古で安いものがある、という訳でなければ最新のものを買いましょう。
個人的にはこのサイズでライブにも使えて制作にも使えるUSB-audioの4in4outは大変魅力であると思います。

SUAMA
この機能、ハイエンドマルチにすべて積まれるべき。
Axe-FX Ⅲからの変更点
正確な情報は海外の有志wikiにあるのですが、正直なところ削除された点はラック型で使っても使いきれないようなポイントが多くあるので(looperの5分間録音とか)特別気になった点、あるなしの違いで購入せずに済む、あるいは背中を押せる点をピックアップしていきます。
mainアウトの数
OUTPUT1でフォン端子が欲しかったユーザーは多くいるのではと推察します。キャノン端子のみの採用となり、ラインアウトメインで普通に使う分には困りませんが、フォン端子をどうしても使いたい場合はOUTPUT2で対応する必要があります。

OUTPUT2はできればモニターで使いたいですし、都度プリセット側から対応させなくてはならなくなりますのでついてたら最高でしたね。
Reverbがデフォルトは「エコノミー」モード
高品質な空間系がウリですがリバーブはあまりに処理が重いためにラック型の高品質モードからは一段落ちたモードで動いているようです。とは言うものの主観的にはDAW上でかけるプラグインのリバーブ並みの性能だと思います。
ディレイを前段においてそれを広げるのであればリバーブはエコノミーで十分と感じました。
また高品質モードも選択すること自体は可能です。

SUAMA
リバーブ自体は音色をかなり作りこめます。シンプルなセットの時はガンガンつかって大丈夫そうです。
DelayブロックはコアDSPをアンプモデリングと共有する
少しきつい点かもしれません。amp,cab,delayブロックを読み込みこむとおおよそ25パーセントほどのDSP使用量となります。ここに上記のリバーブを足すと40%の使用率になります。

SUAMA
80%で打ちとめなのでサウンドの核を作ると実質的に使用量の半分を使ってしまうことになります。ここは工夫がいるポイントです。
処理の重いブロックは一つしか置けない
ここまでお読みいただいてるともうお分かりだと思いますがamp,cab,reverbなどの重いブロックは一つしか置けません。ここに関してはAxe-FXシリーズとしては足りない、という表現が合います。フロアマルチとしては普通ですね。
今後移植不可能な便利な機能がAxe-FX Ⅲに実装される可能性がある
今のところ考えられるものはありませんが、あるとしたら一番つらいところでしょうか。一番想像しやすいところでアンプやエフェクトモデルの追加などです。
基本方針としてはできるだけ移植しているみたいなのでそういった事がないので祈りましょう。

SUAMA
特定のアウトプットからの出力からは特定のモジュール(例えばモニター用アウトのcabセクションなど)をバイパスする機能あたりがこれになったらつらいです。
気に入ったポイント
ここまで書いてるといや~FM3使えないんじゃないの?って思う方もいるとは思います。ですが本領は以下で書くフットスイッチと一体型である事と僕は思います。
制限こそあるように感じますが飽くまでAxe-fxⅢと比較したら、の話です。
スイッチが踏みやすい
これは思いがけない角度からのグッドポイントでした。

SUAMA
あれだけあれこれダメそうなとこ挙げといて良いところはスイッチかよ!と言われそうですがこれはほんとに良いよ。操作的なストレスは一切感じません。

今までのフットスイッチも人間工学に基づいて作られていたそうですが一線を画しています。ここが気になる方は是非楽器屋の試奏で許可を取って踏んづけてみて下さい。
この手のスイッチは室内で靴下ないし裸足で使うとなんだか踏みづらかったり、痛かったりすることがあるのですが反発感も丁度よく、裸足でも問題なくTAPとHOLDの操作が可能です。

視認性も抜群です。筆者は目が悪くプリセット名などが見えないことがあるのですが周りのリングが光る為、わかりやすい色を設定しておくことで間違いを防止できます。

SUAMA
FC-6やFC-12もこれならとても優秀なコントローラーだと思う。高いだけある。Axe-FX Ⅲユーザーは要検討案件。
フットコントローラーの自由度
簡単に言うとスイッチの挙動をプログラミングできます。

SUAMA
はじめはフットスイッチを拡張せずにいろんな音色を出せる、程度に思ってたけど全然違ったよ。
AX8での比較で上でも少し触れましたがFM3はLayoutと呼ばれる仮想拡張があり、物理ボタンは3つですがViewと呼ばれる機能で4つに分割されておりで最大で12個まで動作を割り当てることが可能なのです。
更にTAPとHOLDのそれぞれの挙動に10種類あり、子項目が更にあります。
ライブ用途ですとTAPをメインに調整していく感じですね。

SUAMA
この機能の説明だけでだけでおそらくこの記事より長くなります。なのでここではざっくりやれることを説明していきます。
- プリセット、シーンの読み込みと次への予備動作がTAP一つでできる
- 一つのTAPに2つのシーンを入れて1つのViewで6つのシーンを読み込む
- 任意のbankもしくはLayoutもしくはsceneへワープ
とおおよそなんでもやれてしまいます。シーンは1プリセットの中に8つまでしか準備できないため最大まで割り当てても4つ割り当てが余る訳です。

SUAMA
Axe-FX Ⅲの音質にこの機能が付いていることがFM3の最大にユニークな強みであると言えます。最重要ポイントです。今後他機種に対し優位を取るとしたら間違いなく音質以上に操作機能であると思います。この機能があったからこそ、このサイズに収めることができたんでしょうね…
エクスプレッションペダルもつないでいればボリューム0になった際にtunerを起動する設定がありますのでフットスイッチ側にtunerを配置する必要もありません。

SUAMA
3つでこれだけできる訳ですが更に増やせます。増やす意味合いとしてはプログラミングの簡略化が目的になる感じでしょうか。
こちらの機能については別途で記事を用意しますので少々お待ちくださいませ。
おすすめの拡張

PEDALを繋げる端子が2つなのでラッチとモーメンタリーの切り替えが可能なスイッチとエクスプレッションペダルをそれぞれ一つという形がおすすめです。

SUAMA
よく商品紹介でFC-6を使ってFM3を操作してる画像があるけど、マジでボタン余るからやめておけ。3ボタン+BOSS FS-7で余裕。
MIDI機器対応ですのでもちろん外部のMIDIコントローラーでも操作は可能です。
しかし注意点が二つほどあり、そもそも大きいコントローラーではFM3を使う意味が薄い点、次にプログラムチェンジしか送れない安いMIDIコントローラーを買ってしまうと後悔しか残らない点です。

SUAMA
プログラムチェンジしか送れない安いMIDIコントローラーを買うと早い話がプリセット変更しかできないよ。そもそもFM3のコントローラーが超優秀なので外付けのデカいおもちゃになっちゃう
エクスプレッションペダルについては諸説あり、この手のハイエンドマルチの場合純正品以外はキャリブレーションが上手くいかないことが多いです。
FM3の場合、使いたいモジュレーション及びボリュームブロック内からカーブを書き換えることによりキャリブレーションが上手くいかない分の動作を調整することができます。
※2021/3.21 追加で記事を書きました!
やすく済むならそれでも良いぜ!という方はサードパーティ製、めんどくさいという方は純正品で行きましょう。僕はサイズ感の好みと極性変更を使いたかったのでBOSSのEV-30にしました。
音切れ問題について
工夫しないと使えないくらい切れます。シームレスであるとされているシーン切り替えですら場合によってはカットアウトを感じます。
もともとバンク切り替え(PC)はどのエフェクターでも切れるのであまり気にはしていなかったのですがシーンは少し残念でしたね。
具体的な対策案として実践上感じたものをとりあえずまとめておきます。
- アンプのチャンネル(モデル)切り替えは過剰に頼らない
- 同一アンプの中でクリーンからリードまで作る
- リバーブのONOFFが重いので無駄なONOFFを避ける
- 曲中でバンク切り替えしないレイアウトを作る
どうしてもFM3内で音切れさせたくない場合はMIDIブロックやセンドリターンを使って他のエフェクターで拡張するやり方もあります。

SUAMA
これに関してはもう少し自前で検証してみたいところ。
空間系であればH9であったり実機アンプとの4CMであればMIDIでチャンネルを変えたり、MIDI信号をラッチとモーメンタリーに切り替えてMIDIに対応していない機器のチャンネルを変える、などの方法があります。
MIDI信号をラッチとモーメンタリーに変換する機器は今のところSuhr直販でしか売っていませんが興味がある方はどうぞ。119ドルと安めです。
よくある質問
Q
Axe-Fx IIIを持っていてフットスイッチを買うかFM3を買うか迷っています。
A
複雑なルーティングならFC-6が良いと思います。FC-12でしか出来ないことをしたい場合も同様です。特にアンプモデルを複数切り替えたい場合はアイデア次第ですがAxe-Fx IIIの方が雑に解決できる傾向にあります。Axe-Fx IIIの音質が好きで普段からシンプルなセッティングで使っていてフットコントローラーを検討する場合はFM3が選択肢に入るのではないでしょうか?
Q
これから発売されるquad cortexと迷ってます。
A
あれはkemperと同じくキャプチャーしたい環境(特定のアンプを特定のマイクとマイキングしたものを保存したい等)が無ければあまり買う意味がないと思います。逆にある場合は既にkemperを持っているでしょうし。性能差という意味ですと、DSPとインアウトの多さはquad cortexの方が良さそうです。空間系のクオリティは未知ですのでそれ次第かと思います。
Q
ボリュームペダルのキャリブレーションが上手くいかない。
A
上記で述べましたが一番よく見かけるので再掲しました。純正品以外だと数値が合わない事があるようです。BOSS製品だと0から89までしか認識されません。それについては別途で記事を書きます。
※2021/3.21 追加で記事を書きました!
今後検証したいこと、記事にしたいこと
USBでリアンプできる機種こそ増えては来ましたが音質面では追い付かれていませんし、まだまだユニークな強みであると思います。この辺からまず記事に取り上げていきたいですね。
マイクプリを通したら音質が劣化する、ヘッドホンアウトを使うとホワイトノイズが増える、などとも書かれていたので本当なのか比較する価値は大いにありそうです。
また筆者はkemperも持っているので互いのアンプブロックとキャビセクションを入れ替えて録ってみたりとか面白いんじゃないでしょうか。両社のクセがどこで強く出るのかがわかると思います。
まとめ
非常に長くなってしまいましたが1か月空いた時間に様々な検証や情報収集した結果をレビューしてみました。海外でも検証は進んでいますがまだまだ玉石混合です。

SUAMA
音質面に対するレビューはたくさんあるけどフットスイッチがどれだけ拡張性があるか、という要素には触れてないものがとても多い段階
日本ではまだまだシェアされていないことも多いので気が付いたことがあれば記事にしていきたいと思います。
字数が増えすぎて冗長な記事になってしまうのが心配で削った部分も多いのですが別記事にゆっくりまとめていきたい所です。
それではここまでの事をまとめていきます。
- 音質は最高峰
- 今後のアップデートに期待
- USB1本でリアンプできるのが超便利
- フットスイッチは3ボタンだが拡張性◎
- 音切れは要工夫
- セッティング次第でライブも行ける
という事で自分は大きな不満が出るまではFM3をメインシステムにしてそれ以上の拡張が必要であればkemperとの4CMなどを検討していきたいです。
特にフットスイッチの操作性は予想外の所から刺さったので考案、設定は大変ですが是非使い倒してみて欲しいですね。
この時点で7000字を超えてしまっているので一旦締めたいと思います。お読みいただきありがとうございました。ご指摘などがあればお問い合わせかTwitterからお願いします!